企業内人材育成入門

企業内人材育成入門

企業内人材育成入門

面白そうだったので即買い。
読み終わったら、回りの人4人くらいが1冊ずつ持ってて笑った。


1年間、教育担当としても動いていたのだが、どうも研修に関してしっくりする本がなかったのだが…やっと出会えた気がした。


本の紹介はamazonのリンクを読めばいいので割愛。


私が個人的に、特に参考すべきだと思った章は「企業教育の政治力学」。これを踏まえた上で、研修を設計する理論を活用していくべきだと強く認識した。


よりよい企業教育を実現するためには、教育・学習に関する理論だけではなく、企業教育をめぐるステークホルダーの振る舞いを理解しておくことも必要となる。(略)ステークホルダーたちのポリティカルな振る舞いを熟知したうえで、タフなネゴシエーションを重ね、彼らが自らの利益実現に向けて暴走しないよう、うまくコントロールしなければならない。その意味で、企業の人材育成担当者は"政治力学(Power Dynamics)"の渦の中に身を置くことになる


学生時代にミニにタコ、もとい、耳にタコができるくらい聞いたアクター・ネットワークの理論を紹介しつつ、こう述べられていた。


受講者、受講者の上司、HRD担当者、HRD担当者の上司、外部講師、経営陣…
全てをステークホルダーに巻き込みつつ、「良い」とされる評価軸を設定し、研修結果を出す。
著書の中でどば先生は
研究者がオーディエンスを語るということは、それを通じて、言説空間を含むより大きなアクター・ネットワークへ自らをアクターとして登録することに他ならない。だとすれば、問われるべきは、人間、制度、言説、モノ、その他のあらゆるアクターが入り交じるネットワークのなかで研究者がアクターとしていかに振る舞うか、その振る舞いの政治性なのである。
と話していたが、久しぶりにこれを思い出した。
そう、人材開発担当者は傍観者ではなく、ステークホルダーなのだ。


何を思い、それを研修という形で具現化するのか…まずは「思い磨き」からかな。


…しかしまぁ、自分のボスの影響下から全く抜けられないあたりは笑うしかないなー