私の就職活動

いきなりの人事配属で新卒採用担当になったので、仕事に生かせるように私の就活を振り返ってみます。


□3年前期

私は就職をするつもりが全くなく、大学院に進学するつもりでした。
よって、YCが開講している、3年生対象に週2回やっている就活プログラムには1回くらいしか参加しなかったです。

武蔵工大・環境情報学部の就活プログラムは、他の大学に行った友達の話を聞いてもかなり優れている(丁寧な)ものなので、今思うと少し残念な気がします。エントリーシートの書き方から、面接対策まで手取り足取りやってくれるのは、上位総合大学はありえないことです。(そんなことをしなくても内定ゲットするから、ともいえますが)


就活コンサルタントという意味不明な肩書きを持った方々をたまに招聘するのですが、情報を持っていることは事実なので彼らの話を参考にすることは大いによいことだと思いますし。

とかいいながら、上にも書いた通り「何も」しませんでした。おしまい。


□3年後期

相変わらずガイダンスには出席せず。やっていたことは友達と一緒にノリで登録したリクナビの巡回のみ。

年内はブラック企業ランキングやら、そういった情報をウェブ上で集めて、「こんな会社も世の中にはあるのか」と見ていただけ。
とはいえ、結構おもしろい情報がたくさんあっておもしろかったです。その情報がすべてだとは思いませんが、そういった評価が一部からあったことを知っているだけでも参考になりました。

そういえば、インターネットが無かったころの就職活動の話をとある教授から聞きました。
学校の就職課に行って就職したい旨を伝えるとダンボール1箱分の会社案内などの資料が送られてきて、その中からハガキでエントリーしていたそうです。
いまはリクナビなどでできるので、便利な世の中になったと思います。


年明け。

合同セミナーは年内からあったのですが、相変わらずそんなのには何も参加せず、大学に通ってました。

初めて就活らしいことをしたのは、学内開催の合同企業説明会。2月の中旬くらいだった気がします。
スーツがクリーニングに出しっぱなしだったので普段着で参加。そしてゲタ。就職課のタヌキオヤジにスッゲー睨まれました。

話を聞いているだけでも結構楽しかったです。企業で働いている人の話を、こんなに一斉に聞ける機会はないですから。

こういう性格なので普通に企業の人と話せるので、いろんな企業の人と話してきました。名刺や連絡先をいくつか教えていただき、その日はおしまい。


この日を境に大学院しか考えていなかった意識が変化。

「どうせ2年後に就活するんだから、今のうちに色々回って話を聞いておこう」


というわけで合同企業説明会の日にたくさんエントリーしました。

業種は問わず、銀行、流通、SI、旅行、教育、不動産、メーカー、石油、商社など。手当たり次第に面白そうな企業に話を聞きに行きました。

上にも書きましたが、やはり企業の話はおもしろいです。特に、きちんと下調べをして(株価、従業員数、経常利益、純利益など)から行くと、その企業が何をしているのか、何を目指しているのかが明確になっていきます。
企業からすると、学生は「お客様」なので、結構つっこんだ質問にも答えてくれました。IR情報を見て疑問に思ったところを聞くとさらに答えてくれたり…。社外の人間に話すことなんてありえないので、やはり就活は貴重な経験です。


選考自体はほとんど通過しました。ただし、SPI落ちを除く。
数学入門のところでも書きましたが、中学入試みたいなことが全くできないので、そういうところで落ちました。
合同説明会で仲良くなった人事の方に、「落としてごめんね、試験の点数はどうしようもできないの」とまで言われましたから苦笑


それ以外は全て最終面接まで進みました。調子のいいことを言える性格はかなり得だと思います。とはいえ…結局、最終面接は全部行きませんでした。行って合格したら後が面倒だと思ったので。
//あ、某都市銀行は起きたら最終試験開始の5分前でした。断りすらしてないや笑

一度自信がつくと、面接は落ちないと思いました。落ちた方には申し訳ないのですが、面接官に「スキスキビーム」を出しつづければ言葉が足りなくても通るでしょう。
「お宅の会社がスキだからこんなに下調べしました。」ということをアピールするのが、面接の必勝法でしょうね。


そんなこんなで「もう行きたい企業は無いから、そろそろ大学院の勉強をはじめるか」と思ったのが4月下旬。持ち駒ゼロ。


ここで最大の転機。
高校時代の友人と旅行に行きました。その中の1人に、「この企業の説明会はおもしろいから一度行って来い!絶対に損しないから」といわれ行ったのがいま働いている企業。

というわけで説明会に行きました。確か土曜日。風邪を引いていくかどうか迷ったのですが、せっかくだからということで行きました。

説明会は確かに、とてもおもしろかった。一応、SI企業なのですが他のSI企業とは少し立ち位置が違う…。
その事業内容に惹かれ、ここだけ、最後に話を聞いてみようと決意。


説明会内容も、今まで受けてきた企業と違う点がいくつかありました。来た人を大事にしよう、という気持ちが伝わってくる雰囲気でした。細かいことを言うと、紅茶を1人1人に出してくれたり。

私が一番「ここがおもしろい」と思った点は、会社説明をする際に数字を一切使わなかった点。

会社説明会に行くと必ず数字が出てきます。従業員数、利益、株価、売上高、初任給、離職率etc... ただ、この会社はそれを一切スライドに用いませんでした。
こういう具体的な数字を出さないのは何か意図があるのかもしれない。そう思った私は、最後のアンケートにそれを書きました。「変わった会社だと思いました」とも。


色々あり、トップの方とお話する機会を設けていただきました。

本当に素敵な人でした。「大学院に進学するのもとてもいい経験」とか「2年後にまた縁があったら受けてください」とか「楽しい人生を歩むことが大事」とか…。
社長の学生時代の話も聞かせていただいたり、コンサルタント時代の話を聞かせていただいたりも。
最後は趣味の話で盛り上がり、1時間くらい雑談しました。

その後、面会をセッティングしてくださった人事担当の方と1時間くらい話しました。いまは大学院進学も考えているということ、こんな企業を受けてきて、全て断ってしまっているということ。

それでも話を聞いてくださる点、今来てくれるなら大歓迎で2年後でも待ってますといわれた点。この時点で「ここなら働いてもいいな」と思いました。

事業内容に共感したことはもちろんですが、何よりこういう人事の方や社長がいるということが最大の決め手になりました。
生涯賃金を考えたら寝過ごした都市銀行の方が高いですし、どこの企業でも面接になれば落ちるとは思わなかったのでこれが決め手になったのは間違いありません。


あとは流れに乗って入社し、いまに至ります。


就活の時は企業も学生も、ある程度は見栄を張ってます。実は私はとある企業の面接の手伝いをしたことがあって、どちらの立場も少しですが知っていました。
それでも、企業で働くというのは、何か決定がなされたから。それが「親の目」という外的要因であったとしても。
その要因を好きになれないと、就職してもすぐにダメになってしまう気がします。


というわけでつれづれと書いてみました。久々で懐かしい…


半年後からは面接官です。いろんな学生と会って、どこか一部でも好きになってくれる人を採用していきたいと思っています。