場を利用するということ

最近、不思議な縁で人と会うことが多い。
普通だったら考えにくい会い方だが、良い出会いだと思う。カネが目的ではなく、想いが目的だからかも知れない。その人は自身の所属組織を「利用し」、自身のやりたいことと自身の所属組織の目的を達成していた。


その人の話を聞き、意外と世の中というのはやろうと思うことに対して寛容で・協力的だと感じた。


同時に、何よりそれを応援してくれる場にいられることがありがたいとも思った。これは縁としか説明がつかない。

良くも悪くも放置されつつ、でもフィードバックを求めればどこまでも親身に対応してくれる。何より想いがあれば、自分の立場を差し置いて(またはそれすらも利用して/立場が悪くなることを承知の上で)どこまでも応援してくれる。

これがWAYである場だとしたら、良い組織で、上司なのだと改めて感じる。もしそういう人が身近に出てきたら、どこまでも応援したい。



…とそんなことを思うのも、以前の組織で計画稟議書相見積押印承認根回し
からの〜
駄目だしでストップといういまと正反対の環境にいたから余計そう感じるのだと思う。あれも何年か経てば良い経験だと思えるのだろうか。(今のところ ああはなるまい、という反面教師でしかない)

肥後もっこす

熊本に事務所があるからか、親戚が九州に多いからか、九州・熊本への思い入れが妙にある。

こんな言葉を小泉八雲が残している。
心の何処かにとどめておきたい。

http://www.kumamotokokufu-h.ed.jp/kumamoto/bungaku/yakumo3.html

"THE FUTURE OF THE FAR EAST"(Part of the end)

 I believe also that the future is for the Far East, ――not for the Far West. At least I believe so as far as China is concerned. In the case of Japan, I think, there is a possible danger, ――the danger of abandoning the old, simple, healthy, natural, sober, honest way of living. I think Japan will be strong as long as she preserves her simplicity. I think she will become weak if she adopts imported ideas of luxury. The wise men of the Far East, ――Confucius and Mencius and the Founder of the Buddhist faith, ――have one and all preached the importance to national strength and happiness, of avoiding luxury and of being content with what is necessary for common comfort and for intellectual enjoyment. Their ideas are also those of the Western thinkers of today.

 ――Well, in making these remarks to you, ――representing not merely my own ideas, but those of wiser and better men than I can ever be, ――I thought of what has been called the Kyushu Spirit. I have heard that simplicity of manners and honesty of life were from ancient time the virtues of Kumamoto. If this be so, then I would conclude by saying that I think the future greatness of Japan will depend on the preservation of that Kyushu or Kumamoto spirit, ――the love of what is plain and good and simple, and the hatred of useless luxury and extravagance in life.

(「極東の将来」(終わり部分)

 また、将来は西洋にではなく極東に味方すると私は信じる。少なくとも中国に関する限りそうだと信じる。日本の場合には、危険性があると考える。古来からの、簡素な、健全な、自然な、節度ある、誠実な生活方法を捨て去る危険性がある。私は日本がその質素さを保ち続ける間は強いが、もし舶来のぜいたく志向を取り入れるとすれば衰退して行くと考える。極東の賢人である孔子孟子ブッダは誰も皆、「ぜいたくを避けて、ごく普通の楽しみと知的娯楽に必要なもので満足することこそ、民の強さと幸せのために重要である」と説いた。その考えはまた今日の西洋の思想家の考えでもある。

 さて、諸君にこんなこと――単に私自身の考えだけでなく、私のとうてい及ばない聖賢たちの考え――を述べているうちに、私は「九州魂」といわれているものについて考えてみた。私は質素な習慣と誠実な生活は古来熊本の美徳であったと聞いている。もしそうであるなら、将来、日本が偉大な国になるかどうかは、――九州魂あるいは熊本魂、――すなわち素朴、善良、質素なものを愛して、生活での無用なぜいたくと浪費を嫌悪する心を、いかにして持ち続けるかどうかにかかっているのだと申し上げ、結論にしたい。)

私の就職活動

いきなりの人事配属で新卒採用担当になったので、仕事に生かせるように私の就活を振り返ってみます。


□3年前期

私は就職をするつもりが全くなく、大学院に進学するつもりでした。
よって、YCが開講している、3年生対象に週2回やっている就活プログラムには1回くらいしか参加しなかったです。

武蔵工大・環境情報学部の就活プログラムは、他の大学に行った友達の話を聞いてもかなり優れている(丁寧な)ものなので、今思うと少し残念な気がします。エントリーシートの書き方から、面接対策まで手取り足取りやってくれるのは、上位総合大学はありえないことです。(そんなことをしなくても内定ゲットするから、ともいえますが)


就活コンサルタントという意味不明な肩書きを持った方々をたまに招聘するのですが、情報を持っていることは事実なので彼らの話を参考にすることは大いによいことだと思いますし。

とかいいながら、上にも書いた通り「何も」しませんでした。おしまい。


□3年後期

相変わらずガイダンスには出席せず。やっていたことは友達と一緒にノリで登録したリクナビの巡回のみ。

年内はブラック企業ランキングやら、そういった情報をウェブ上で集めて、「こんな会社も世の中にはあるのか」と見ていただけ。
とはいえ、結構おもしろい情報がたくさんあっておもしろかったです。その情報がすべてだとは思いませんが、そういった評価が一部からあったことを知っているだけでも参考になりました。

そういえば、インターネットが無かったころの就職活動の話をとある教授から聞きました。
学校の就職課に行って就職したい旨を伝えるとダンボール1箱分の会社案内などの資料が送られてきて、その中からハガキでエントリーしていたそうです。
いまはリクナビなどでできるので、便利な世の中になったと思います。


年明け。

合同セミナーは年内からあったのですが、相変わらずそんなのには何も参加せず、大学に通ってました。

初めて就活らしいことをしたのは、学内開催の合同企業説明会。2月の中旬くらいだった気がします。
スーツがクリーニングに出しっぱなしだったので普段着で参加。そしてゲタ。就職課のタヌキオヤジにスッゲー睨まれました。

話を聞いているだけでも結構楽しかったです。企業で働いている人の話を、こんなに一斉に聞ける機会はないですから。

こういう性格なので普通に企業の人と話せるので、いろんな企業の人と話してきました。名刺や連絡先をいくつか教えていただき、その日はおしまい。


この日を境に大学院しか考えていなかった意識が変化。

「どうせ2年後に就活するんだから、今のうちに色々回って話を聞いておこう」


というわけで合同企業説明会の日にたくさんエントリーしました。

業種は問わず、銀行、流通、SI、旅行、教育、不動産、メーカー、石油、商社など。手当たり次第に面白そうな企業に話を聞きに行きました。

上にも書きましたが、やはり企業の話はおもしろいです。特に、きちんと下調べをして(株価、従業員数、経常利益、純利益など)から行くと、その企業が何をしているのか、何を目指しているのかが明確になっていきます。
企業からすると、学生は「お客様」なので、結構つっこんだ質問にも答えてくれました。IR情報を見て疑問に思ったところを聞くとさらに答えてくれたり…。社外の人間に話すことなんてありえないので、やはり就活は貴重な経験です。


選考自体はほとんど通過しました。ただし、SPI落ちを除く。
数学入門のところでも書きましたが、中学入試みたいなことが全くできないので、そういうところで落ちました。
合同説明会で仲良くなった人事の方に、「落としてごめんね、試験の点数はどうしようもできないの」とまで言われましたから苦笑


それ以外は全て最終面接まで進みました。調子のいいことを言える性格はかなり得だと思います。とはいえ…結局、最終面接は全部行きませんでした。行って合格したら後が面倒だと思ったので。
//あ、某都市銀行は起きたら最終試験開始の5分前でした。断りすらしてないや笑

一度自信がつくと、面接は落ちないと思いました。落ちた方には申し訳ないのですが、面接官に「スキスキビーム」を出しつづければ言葉が足りなくても通るでしょう。
「お宅の会社がスキだからこんなに下調べしました。」ということをアピールするのが、面接の必勝法でしょうね。


そんなこんなで「もう行きたい企業は無いから、そろそろ大学院の勉強をはじめるか」と思ったのが4月下旬。持ち駒ゼロ。


ここで最大の転機。
高校時代の友人と旅行に行きました。その中の1人に、「この企業の説明会はおもしろいから一度行って来い!絶対に損しないから」といわれ行ったのがいま働いている企業。

というわけで説明会に行きました。確か土曜日。風邪を引いていくかどうか迷ったのですが、せっかくだからということで行きました。

説明会は確かに、とてもおもしろかった。一応、SI企業なのですが他のSI企業とは少し立ち位置が違う…。
その事業内容に惹かれ、ここだけ、最後に話を聞いてみようと決意。


説明会内容も、今まで受けてきた企業と違う点がいくつかありました。来た人を大事にしよう、という気持ちが伝わってくる雰囲気でした。細かいことを言うと、紅茶を1人1人に出してくれたり。

私が一番「ここがおもしろい」と思った点は、会社説明をする際に数字を一切使わなかった点。

会社説明会に行くと必ず数字が出てきます。従業員数、利益、株価、売上高、初任給、離職率etc... ただ、この会社はそれを一切スライドに用いませんでした。
こういう具体的な数字を出さないのは何か意図があるのかもしれない。そう思った私は、最後のアンケートにそれを書きました。「変わった会社だと思いました」とも。


色々あり、トップの方とお話する機会を設けていただきました。

本当に素敵な人でした。「大学院に進学するのもとてもいい経験」とか「2年後にまた縁があったら受けてください」とか「楽しい人生を歩むことが大事」とか…。
社長の学生時代の話も聞かせていただいたり、コンサルタント時代の話を聞かせていただいたりも。
最後は趣味の話で盛り上がり、1時間くらい雑談しました。

その後、面会をセッティングしてくださった人事担当の方と1時間くらい話しました。いまは大学院進学も考えているということ、こんな企業を受けてきて、全て断ってしまっているということ。

それでも話を聞いてくださる点、今来てくれるなら大歓迎で2年後でも待ってますといわれた点。この時点で「ここなら働いてもいいな」と思いました。

事業内容に共感したことはもちろんですが、何よりこういう人事の方や社長がいるということが最大の決め手になりました。
生涯賃金を考えたら寝過ごした都市銀行の方が高いですし、どこの企業でも面接になれば落ちるとは思わなかったのでこれが決め手になったのは間違いありません。


あとは流れに乗って入社し、いまに至ります。


就活の時は企業も学生も、ある程度は見栄を張ってます。実は私はとある企業の面接の手伝いをしたことがあって、どちらの立場も少しですが知っていました。
それでも、企業で働くというのは、何か決定がなされたから。それが「親の目」という外的要因であったとしても。
その要因を好きになれないと、就職してもすぐにダメになってしまう気がします。


というわけでつれづれと書いてみました。久々で懐かしい…


半年後からは面接官です。いろんな学生と会って、どこか一部でも好きになってくれる人を採用していきたいと思っています。

2011採用予想


親戚の子が2011採用(その子にとっては就活か)に乗るということで色々考えてみた。


どうでもいいが、ここは昭和63年、昭和64年、平成元年が入り混じる年だ。昭和はジジイとか言われてしまうのだろうか。


ヨタ話はさておき。
どこの企業も確実に採用経費を削ると思う。王者リクルートの営業マンですら失注が相次いで大変だ、みたいなことを言っていた。(違約金アリの発注取り消しも多いらしい。採用中止になったから、という理由により)



そういう中でどういう採用戦略(就活戦略)を採るべきか。



思いつきでしかないが、「新卒の成功報酬型紹介」を有効活用することだと思う。


企業としては、ぎゅっと採用目標人数を絞って効率的に採用をし、間接部門(採用担当部門)の人件費を減らす目標を立てると思うので、利用するのは自然。


学生としては、効率的に就職の情報を得られ、タダでプロのカウンセリングを受けられ、紹介会社の口ぞえのある会社を受けられるため、情報感度のいい学生は利用する。


紹介会社としては、成功報酬なのでなんとか成約したため、学生のケア(マッチする会社を紹介するなど)をしっかり行い、前述のような企業の効率的な採用の支援をしていく。


ちなみに…王者・リクルートの成功報酬は88万(出所:日本の人事部記事より)。ここは理系・海外大学生に特化しているが、もっと安く、セグメントもニッチなところを攻めている会社もある。(体育会系とか、院生とか)学生としては、自分に合った紹介会社を調べ、利用するのが内定ゲットの近道だと思われる。



ま、眠たい目をこすってかいてるエントリなのでよくわからんけどねー。読み返しても支離滅裂だし…。


とはいえ効果の薄いマスマーケティングにアホみたいにお金を使うよりは、はじめから内定を出す確率が高いところにお金を使うのは当然な気がする。昔から「優良母集団形成」とか言ってるし。


と、そんな中で就職情報サイトがどんな手を打ってくるのか楽しみ。2010採用のの振り返りをしながら、次年度に向けて支援業者の情報を集めないと。

新卒採用と新人研修

2009年4月1日、新人たちが入社した。目に入れても痛くないくらいかわいい。(自分より年上がいるけど)

2007年4月に入社して、7月から人事総務部に配属された。そこでの「はじめてのおしごと」は2009採用。そのために全国を飛び回り、多くの内定受諾をゲットした。

その学生たちが新人になり、入社してくれた。こんなに嬉しい経験ができるのは、採用をやっているからこそだと思う。



あの子は内定受諾を本当に悩んでたな、とか 他の会社と迷っているときに、他の会社のいいところも紹介してあげたな、とか それでも受諾してくれたな、とか この子は面接前に緊張して固まっていたな、とか思い出すと思わずにやけてしまう。



この4月、その新人たち新人研修も担当し、先週、合同研修を終えた。連休明けにちょっとだけ研修をして、その後は各部・グループに仮配属になる。もう合同で面倒を見ることもないだろうし、今後の付き合い方は「忙しいのに研修とかいって呼び出しやがって」となる程度だろう。



でも、それでいいと思う。



これからは新人たちが各部で大活躍するのを応援したい。楽しいこと嬉しいこともある反面、しんどいことも苦しいこともあるはず。後者のとき、ちょっと手助けをして、あとは見守りたい。



これで2009採用の仕事は本当に終わり。



さ、次の仕事に取り掛かろうっと。

いまだったらこうやる就職活動2

今日から冬休み。でも採用担当は裏で色々動いています。リクナビメンテナンスとかコンテンツづくりとか…


さて、「告知した合同説明会の歩き方」について書くと宣言していたのでこれについて…(すっかり忘れてました)


まず合同説明会とは何ぞや?というところから。


合同説明会とは、一番根っこにある目的は
・企業にとって、学生にある程度まとめて一次接触ができる機会
・学生にとって、企業にある程度まとめて人事担当と接触できる機会
だといえます。

もう何かのお祭り状態になっていますが(アイドルが来てたり…)本来の目的はこれでしょう。


もう少し詳細な説明を…合同説明会は大きく分けて3つに絞れると思います。
1.大規模合同説明会
2.小規模合同説明会
3.セグメント別合同説明会


■1.大規模合同説明会
RナビLiveやMナビ就職EXPOなどがこれに当たります。とにかく多くの業種・企業が参画し、多くの学生が参加するもの。

企業側メリットとしては自社セミナーに単独で呼び込めない学生に大量に接触できること。
企業側デメリットとしては本来ターゲットではない学生が来てしまい、効率が落ちること。また、不人気業界・知名度の無い企業ブースにはほとんど学生が来ないこと。


学生側メリットとしては全く違う業界・業種に一気に出会えること。
学生側デメリットとしては選択肢が広すぎてワケが分からず一日過ごしてしまう可能性があること。


ちなみに双方のデメリットについては主催側が工夫して軽減するようにはなっていると思います。企業を回るたびにチケットを配布し、学生の訪問を全体にいきわたるようにするなど…


余談ですが、「就活のバカヤロー」でばっさりと切られている合同説明会はこれに当たります。「大企業は格安で参加、中小企業は正価で参加させられる…」と。


■2.小規模合同説明会
世の中に無限にあるように錯覚する、ミニRナビ・ミニMナビのような企業が主催する説明会。参加企業も参加学生も少数。

少数がゆえに、お互い密に接触できる機会は多い。興味のある企業(企業にとっては学生セグメント)が来るのであれば参加する意義はあると思われます。


■3.セグメント別合同説明会
大学別、地域別、文理別、性別別、専攻別、業界別などで区切られる合同説明会。

志望業界などが決まっているのであれば一番効率的だと思います。(企業にとっても、始めからその業界志望の学生が来るので費用対効果は高いと思われます)

体感的には日経ナビが「専攻別」では強い印象があります。機械・電気系向け合同説明会、土木・建築系向け合同説明会など…


感覚的にですが、大学別説明会が一番学歴を有効利用できる説明会だと思います。参加資格が「上位大学のみ」でそこに参加する企業は「上位大学を採りに来ている」わけですから。

個人的には学歴で仕事をするわけではないので意味の無いセグメントだと思いますが、これらを持っているのであれば、使えるモノは使った方がいいでしょう。(ちなみに残念ながらムサコーは入りません。東京都市大学はもっと入りません…「理系」というセグメントを捨てたのは学生の就職活動にとっては痛手だと思うんですけどねぇ。)


だんだん取り留めの無い文章になってきましたのでここらでおしまい。これからも駄文を垂れ流します。

就活のバカヤロー

書店で即買いした一冊。

就活のバカヤロー (光文社新書)

就活のバカヤロー (光文社新書)


学生の立場から、
大学の立場から、
企業の立場から、
就職情報会社の立場から、
「就職(=採活)」について語った本である。


2年生採用担当としては、全てに「うんうん」と頷きながら一瞬で読ませてもらった。


「自己分析をすべし」と言われて「リーダーシップを発揮した学生」になってしまった学生、
お客様である学生に強く出られない大学、
"いい学生"が欲しいが故に就職情報会社の高額商品を買わざるを得ない企業、
そして本書で語られている「マッチポンプ式」のビジネスをしている就職情報会社の矛盾(本書ではその就職情報会社も被害者、と書いています)…


就職活動・採用活動とは一体何なんでしょう?


仕事に正解は無い、言い換えればそこのフィールドに乗るための就職活動に正解は無い。

でも、「内定(=採用)」という正解を求めて4者は就活(=採活)をしていく…


私にとっては、「採用活動」をどう位置づけていくかのいいスタートになった。
とりあえず、某氏が語っていた「学生の良き
相談相手として(採用)活動してもらいたい」を反芻してみようと思う。