音環境デザイン
英文科目名 | 担当 | 単位数 | 履修年度 |
---|---|---|---|
Design of acoustical environment | 宮坂榮一 | 2単位 | 4年(2006年度)前期 |
出席 | 試験 |
---|---|
行わない | 試験期間中に行う |
【感想】
担当は認知工学概論、インタラクティビティデザイン、音響心理学の宮坂先生。詳細はそちらで。
3年生開講の授業だが、昨年度(2005年度)は情報教育法Ⅰを履修したため、 今年度の履修になった。
講義は上3つのパターンと同様、あらかじめ資料をダウンロード&プリントアウトし、授業に持ち込み、それに穴埋めをしていく形で授業を進めていく。
私は2005年度の空欄外し済スライドを印刷し、それを元に講義を受けたので穴埋めのため先生の話を聞き逃すことがなく、非常によかった。手間を省くという点で、これはなかなかよい方法であると我ながら思う。
内容的としては、「音環境とは何か」と論じる箇所についてはおもしろかった。そもそも、理想的な音環境は各自によるものだし、一般的な解は存在しないはずであるから、そうやって考えていくことは非常におもしろい。
そういったことを
人間の一般的な性質が、進化学的にこう「である」からといって、そうである「べし」とはいえない。自然に備わっていないからと言って、やってはいけないということではない。しかし、環境に対する認識や行動は、進化的適応環境のもとで進化してきたのも事実。よって、人間に本来備わっている性質、人間の本性をよく知ることによって、現在の環境との関わりの仕方について、考察していく必要がある。
(小田亮:ヒトは環境を壊す動物である(ちくま新書))
と資料で紹介していた点が一番印象に残っている。
ただ、最終的に、DNAを調べたりして「科学的な」方法に頼るのは、一つのアプローチとして知っておくのはいいかもしれないが、やはり最終的な趣味は合わない気がした。
とはいえ、宮坂先生の専門分野についての話を聞くことができるのは非常に参考になるし、就職先でも使えそうなので履修して損は無さそう。
「音」に限らず、こういったアプローチは知っておくだけでも勉強になる。
認知工学概論も履修時は全く役に立つとは思えなかったのだが、別件で調べる際に資料を引っ張り出してきてググるキーワードが書いてあったり、「そういえばあそこにあったかも」と手がかりになり、役に立つことがあった。
とりあえず何でも手を出すことは、今後の人生に役に立つ。
数年後、この講義を履修したことが役に立つ日が来ると信じている。
【試験】
試験期間中に行う。
問題は
(問1−1)Soundscapeの創始者であるM.Schaferが”Ear Cleaning”について述べている以下の文章を、日本語に訳しなさい。
Any process that encourages a person to listen more discriminately, particularly to sounds of the environment.
(問2−2)M.Schaferは、作曲家・音楽家として、”従来の楽音”と”騒音”を区別しないことを提供した。これはどのような意味を持っているのかを、J.Cageのピアノ作品「4’33”」のねらいとの関係で説明しなさい
2.以下の4つの説明文において、下線を付した部分の一部あるいは全体に間違いがある場合、間違いの場所を○で囲み、正しい文を所定の場所に書きなさい。1つの説明文中に複数の間違いがある場合は、順に番号を付けて説明すること。間違いの場所は、単語だけの場合もあれば、文章、文の場合もある。間違いが無い場合は、「間違いなし」と書くこと。
説明1:分子時計は、物体を構成する分子が、規則正しく振動するときの振動数を計測することにより、時計としての機能を持たせている。
説明2:シャノンの通信モデルでは、送信者側が何らかのメッセージを伝達しようとする意図を持って発信することを前提にしている。従って、decoaderには、そのメッセージを解読するコードブックがあれば十分である。
説明3:大橋の説明によると、生物は、適応能力が優れているので、環境との適応度が高まるほど新しい環境へ向かおうとする。その結果、不快感は少なくなり、快感が増す。
説明4:残響時間は、2秒の部屋の方が、1.5秒の部屋より音が豊かであると言える。
3.以下の20個の用語を全て用いて、正しい文章を構成しなさい。用語は、該当箇所を( )つきで用いること。一文はあまり長くしないこと。適当にピリオドをつけ、複数の文にした方が読みやすくなる。
例) (1)は(2)と(3)から構成され…
(1)ディオキシリボース (2)リボース (3)塩基 (4)DNA (5)ディオキシヌクレオチド (6)遺伝子 (7)ペプチド結合 (8)シトシン (9)アテニン (10)塩基配列 (11)RNA (12)ディオキシリボ核酸 (13)リン酸 (14)コドン (15)遺伝暗号表 (16)アミノ酸配列 (17)二重らせん (18)転写 (19)タンパク質 (20)遺伝情報
4.詳細は覚えていないが、講義の最後の方で扱った反響板の問題が2題。解答用紙にはマス目の書かれた表があり、作図をさせる。計算問題も出た。
である。
まさか課題で出た問いがそのまま3に使われるとは思わなかった。持ち込みをした人は勝ち組である。ここで時間をとられてしまい、4まで手がまわらなかったのが残念だった。
なお、課題は2回。
1回目は
本人が興味を持つ音環境を対象に、以下の点に関し、レポートしてください。
1.対象とする「音環境」は何か?また、その「音環境」では<人><音><環境>の3者の関係はどのようになっているのかを説明してください。必要に応じて、図を用いること。
2.対象とする「音環境」に対する現状認識と、その「音環境」のあるべき姿を論じなさい。
3.その「音環境」のあるべき姿を実現するには、何をすればよいかを提案してください。
であり、2回目は
以下の2つの項目について、各項目に記述した用語を全て用いて、正しい文章を構成してください。
文章中に用いた下記の用語には、アンダーラインを引いて分かるようにしてください。
1.ディオキシリボース、リボース、塩基、DNA、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ディオキシヌクレオチド、連続結合、共有結合、二重らせん、シトシン、チミン、アデニン、プリン塩基、ピリミジン塩基、塩基配列、ディオキシリボ核酸、グアニン、リン酸、水素結合
上記の21個の用語を用いて、正しい文章を作成する。文章は余り長くしないこと。適当にピリオドを付け、複数の文にしたほうが読みやすくなる。
2.アミノ酸、塩基、コドン、遺伝暗号表、塩基配列、DNA、アミノ基、炭素原子、ロイシン、ペピチド結合、ポリペプチド、アミノ酸配列、遺伝子、ゲノム、遺伝情報、エクゾン、イントロン、ジャンクDNA、メチオニン、タンパク質、カルボキシル基
上記の22個の用語を用いて、正しい文章を作成する。文章は余り長くしないこと。適当にピリオドを付け、複数の文にしたほうが読みやすくなる。
であった。
1回目の課題は教育実習が終わる次の月曜日が締切日だったので、宮坂先生に頼みに行き、特別に1週間提出日を遅らせてもらった。正直、実習前・実習中は忙しくてそれどころではなかったので本当に助かった。
特別の配慮をしてくださった宮坂先生にこの場を借りて心よりお礼申しあげます
m(_ _)m