情報編集入門

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Communication through Multimedia and Networking Workshop 櫻井武 2単位 2年(2004年度)後期
出席 試験
顔を確認しながらの出席確認による 行わない


【感想】

担当は環境情報学(の一部担当)と多文化社会と情報担当の教授である。相変わらず15分遅刻すると受講を認めない、途中退室を認めない、など厳しい人である。この授業に関してはそこまで厳しくなかったが。

余談であるが、彼の娘さんはイギリス人と結婚している。櫻井先生も英語がペラペラであるそうだ。人はみかけによらないものである。

この授業は以下3つの条件を(不幸にも)満たした者、つまり


・教職選択者で、
・1年後期に情報探索入門を履修し、
・今期編集を履修しようとしたが抽選漏れした人


を対象に月曜日の1時限に特別開講した授業であった。


この授業開講にあたって、教職担当の高山先生(参考:発達心理学Ⅰ教育とカウンセリング)が学務課に怒鳴り込んだとか、その怒りの矛先が何故かゼミ生の課題に行ったとか様々な波乱があったみたいである。

ともかくも履修できてよかった。来年からはこのようなことがないよう、はじめから2年生には教職履修者用の情報探索入門および情報編集入門のクラスを開講すべきである。


授業内容は前半がはじめの30分で前回課題の中から先生の独断と偏見で選んだ人のプレゼン、40分でその講義の内容の説明、残り20分で次回課題の説明を行うスタイル。

雑誌広告の分析、映像CMの分析、それを踏まえた上で自分で映像を作成する、など興味をそそられる、非常に満足度の高い講義であった。なにより、上記3つの条件を満たした者しか授業していないので履修者が18人。履修削除をした人もいるので最終的には14人。超少人数クラスのためさらによかったと思う。普通に履修をすると履修人数が中演満席(50人くらい)になってしまう。非常にラッキーであった。

やはりこのような演習授業は少人数に限る。そもそもこのような授業を大人数で行うには限界があるわけだし、教授・大学の負担がかかるにしてもこのような少人数授業を増やしてもらいたいものである。

後半はひたすら映像編集。まずは個人作業で「キャンパス紹介ムービー」を作成。その際にAdobe Premiereを使った映像編集の技術を学び、最後のグループ課題の布石とする。

最後の3回くらいはひたすらグループ課題で、最後の回を利用して発表とした。とにかく、放課後作業が多い科目であった。


以下余談。

私のグループ(といっても少人数のためペアで行うのでグループではないが)の最終課題は「ISOについて」高田学部長と増井教授にインタビューを行った。

ISOとは我が大学が「売り」にしているものの一つで、環境教育に大いに利用されている。エコキャンパスツアーなどはいい例である。

そのISOの意識が低いのではないか、意識を高めるにはどうすればよいか、それをインタビューしに行った。

2人の共通意見として、確かに低い。しかし、もちろんこちら(教授や意識の高い学生)からのアクションは必要だが、キャンパスライフを送るうちに自然に身につくものであるから、学生側からの突き上げに期待している、というものであった。

ISOについて再考するいい機会になった。

同時に、インタビュー映像を作成する難しさも体感した。例えば、編集の際に気づいたことが音量の小ささがある。これは外付けマイクなどで対応しなければならないと思う。

インタビューで「カギ」となる一言をもらうのにも苦労した。セリフにならないように気持ちよく話していただきたいので話に乗ることも必要であることを実感した。

そして一番の問題が、インタビュイーの発言を歪曲することなく、かつ、いかにカギとなる部分を効果的に入れるか、ということである。言い換えれば、いかにカギとなる発言をインタビュー後に見つけられるか、ということが重用になってくる。

完成した作品を見て、反省すべきところが多々ある。特に、カギとなる部分以外のインタビュー映像が長いことである。少々ムービー事態が長いのでだらけてしまうかも知れなかった。

今度映像編集することがあればそこを留意したいと思う。


さらに余談を続ける。

増井教授とはインタビューとその他雑談を含め、90分近く話した。(そのおかげで情報エコロジー岩村先生の2回目講義をサボることになったのだが)そこで色々な話をした。

教授から見た現在の学生や横浜キャンパスは教授、学務課ともに非常に甘いということ、彼の考えによる理想の学生像など、講義をだけでは得られない情報を得ることができた。

思わず失笑したエピソードを一つ紹介する。
ある学生が計算間違いで卒業に1単位足りなく、留年が決定した。その親が増井教授の所に怒鳴り込んできたことがあったらしい。さらに、「何故4年後期が始まった時にインフォメーションしなかったのか」と怒りの矛先を間違えた質問をされ、さらに「1単位のために1年分の学費をまた払うのか」と当たり前のことを言われた、というエピソードである。

断っておくが、別に増井教授はその話をしたかったのではなく、大学生にもなって自分で責任を取れないでどうする、ということを言いたかったのである。当たり前のことができない学生が多い、とおっしゃっていた。(情報エコロジーの課題レポートを3行で提出した学生に「不可」をつけたら何故「不可」なのか問いに来たということもそのとき一緒に話してくれた)

他にも、ほとんどの教授がどれだけ講義のために時間をかけ、用意しているのかを知ることが出来た。この努力を知ることが、講義から何か吸収する一歩ではないかと思う。


高田教授ともプレ・インタビューの際に1時間ほど話した。この授業をこうして欲しい、などの要望も伝えることができたし、逆に高田教授の教育についての考え方などを教えてもらうことができた。
海外の大学の事例を挙げながら、このように向こうでは講義をしているのであり、目指すべきはこのような講義なのだ、と。

要約すると、その大学では1つの講義に2人の教授がつき、教材を相談しながら作成する。そして、その教材を元に講義を行うのだが、あくまでも講義では「楽しく理解させる」のが目的である。次に、その講義を元に宿題を出させる。その宿題は講義だけでは理解できないことがあるように出題する。そこで学生は講義を思い出しながら自分で勉強する。ここではじめて理解したことになる、という

ものであった。

その話を思い浮かべながら環境情報学情報とエレクトロニクスを思い浮かべると、ああなるほどこういう考え方に基づいて行われたのか、と納得できる。

実際に自分の講義ではそれをしていると言っていたし、そう思うとも伝えたが、彼はまだまだ満足できないらしい。「俺がやってるのはその半分以下だ」とも言っていた。忙しくてできないことも多いが、将来非常勤講師で来るようになったら是非その講義を実現したいそうである。

今回のインタビューを通して本当に武蔵工業大学・横浜キャンパスをよくしたい、という高田教授、増井教授の意気込みを知ることができた。彼らの意気込みを、言い方は悪いが、是非活用させていただいて、将来の自分への投資にさせていただこうと強く思った。


【試験】

行わない。
評価は出席、提出物および最終グループワークによる。