国際情報システム

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Global Communication System 櫻井武 2単位 3年(2005年度)後期
出席 試験
毎回、手書きで行う 試験期間中に行う


【感想】

環境情報学(の一部)、情報編集入門多文化社会と情報現代ジャーナリズム論担当の櫻井武先生。詳細はこれらを参照。

もう彼の講義は5つ目である。櫻井研でなければなかなかありえない数であろう。

超お堅い人。15分までの遅刻は許しても、それ以上は1分遅れでも認めない。恐ろしい…。

なお櫻井研のゼミ生はこの授業が事実上の必修になる。ゼミの内容とかぶる部分が多いらしいので復習になるようだ。


さて、講義。
サクライズムの集大成のこの授業、履修者はプレラボで3/5くらい。最前列は櫻井研ゼミ生の指定席である。一般学生は座ってはいけない。(別にいいんだけどね)

相変わらずものすごい量のスライド。ワードでA4・100枚くらい行くんだもん。全て手書きで写すのは絶対に不可能。

結局、またデジカメで撮ってワードに打ち直した。(バレたら確実に怒られるだろう…)

というかそうでもしないと、せっかくの話を聞けないのだ。そこのところは大目に見て欲しい。


内容的には、情報流通の仕組みを説明してくれるものであった。元ジャーナリストの彼であるから、その視点によって。

技術的に、社会的に、全体を網羅していたのはさすがだと思う。実際に国際情報システム使い、どう世界が動いたかという説明はおもしろかった。(国際紛争解決や、ベルリンの壁崩壊は放送抜きには語れない、という話)


だが気になる点は、「ジャーナリズム的に〜」と語る点。どうも彼はジャーナリストと市民の二項対立で考えている気がする。(彼と議論していないので、授業内のみの話で)

果たして、市民はそんなに弱くて、かわいそうな存在なのだろうか。放送メディアを甘んじて受け容れるだけの存在なのだろうか。

それと、日本としてどうすべきかという視点が強い。これは櫻井先生が担当なので当たり前といったら当たり前の話なのだが、じゃあ自分なら何ができるか、実際に「櫻井武ならどうするか」、というところまで言及がないのが個人的には残念な箇所だった。基本的に事例紹介に終始してしまった気がする。


とはいえ、櫻井先生の気合の入り方が伝わってくる講義。このスライドを作成するのに1回の講義で10時間はかけてるのでは…?それをわざわざ見過ごす手はない。

厳しい人だが、それだけのことはやってくださっていると思う。今期3本の指に入る素晴らしい講義だった。


【試験】

試験期間中に行う。

事前案内は


1)範囲は学期を通して各所より出題
2)基本的には自分の意見ではなく、本講義を通して担当者が何をどう説明したのかを記述することが肝要(〜を論ぜよ、という設問はない)
3)解答にあたっては、万年筆またはボールペンを必ず使用〜訂正等で答案用紙が汚損されても減点にはならない
4)出席、ゲストへの感想文の提出と内容も評価で考慮する
(1/3程度の記述では考慮外、5回以上の欠席は再試験の対象としない(4年生))


であり、実際の試験問題は順不同、ディティールはあやしいが、

・メディアは脱国境性を内包していたが、それを近代以前のメディアの例を用いて説明しなさい。
・冷戦終結の原因を「封じ込め計画の成功」とする見方があるが、ナイの分析によるとそれ以外(メディア)の原因が3つあったとしている。その3つの原因を説明しなさい。
・Hフレデリックによると、情報の流れの論議には3つの視座がある。それら3つを挙げ、説明しなさい。
・中東メディア(アルジャジーラ)が誕生したことにより世界の情報システムにどのような影響が出たのか、特別講義で大田正弘氏が話したことを元に説明しなさい。
・マクブライド報告を受けての決議案の11項目のうち、現在でも重要だと思われることを挙げ、それに対して自身の意見を書きなさい。ただし、項目を間違えるとゼロ得点なので注意すること。
・グローバル企業にとってメディアは商業インフラと言われているが、それはなぜか説明しなさい。

であった。正直、キツい。試験中リアルに凍りついた。

出席、感想レポートも評価してくれるので単位はでるだろうが、そっちがひどかったら出ないんだろうなぁ…他の人の結果が気になるところである。