情報教育法Ⅰ

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Methodology of Information EducationⅠ 小池星多 2単位 3年(2005年度)前期
出席 試験
模擬授業を行う者は当然、そうでないものは感想票を提出する
同時に、一枚ずつ配布する出席カードでも行う
行わない


【感想】

教育の方法と技術A担当の小池先生。詳細はそちらを参考に。

私は母校に教育実習に行けないので、小池先生と学部長が受け入れ先の県立高校へ挨拶に行ってくれたりしてくれた。本当にこの件に関してお世話になった。一生頭が上がらない。本当にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
m(__)m


さて、授業。
昨年度(2004年度)は、私が受けた教育の方法と技術Aとほぼ同内容をやったそうだ。

今年度(2005年度)は打って変わって、模擬授業を行った。

まず、ほぼ研究室毎に4人のグループを作られる。次に、1人15分割り当てられ、そこで「情報」の授業をする。1授業で1グループ(60分)と、1人5分くらいずつ解説を行う。

授業の基本スタイルはこれである。

当初は情報教育法Ⅰを教職履修者の1/3、Ⅱで2/3の履修者にし、Ⅰは模擬授業とスクィークでの教材作成、Ⅱを模擬授業オンリーで行なう予定だったらしい。結局は人数が半々に分かれたのでⅠもⅡも同内容になった。


内容であるが。

最終的に、アシスタントの方がある人の模擬授業へのコメントで言っていたが、「授業をこなすための模擬授業」になっていた。小池先生の「良い」評価を得るための模擬授業になってしまったのである。

例えば、小池先生が模擬授業に関してコメントをする。それを元に次のグループは模擬授業を行なう。すると、必然的に小池先生の意見が反映された授業になるのである。


小池先生好みは

1.15分きっかり時間を使う
2.いろいろと具体物を出す(携帯の話をするなら携帯を持ってくる、など)
3.イントロで生徒の身近な例を出す
4.生徒に話しかける
5.穴埋め式のプリントを使う
6.生徒を黒板前まで出させ、問題に回答させる
7.内容に沿った問題を最後につける

である。というかこの7か条以外、彼の口からコメントは発せられない。

むしろアシスタントの人のコメントのほうがよっぽどいい。「なんで穴埋め式にしたのか、その意図は?」「問題を解かせるのは何のためなのか?」など。「なぜ、そういうスタイルを取ったのか」を考えさせるのである。

もしかするとアシスタントに先にコメントをさせるので小池先生がコメントする余地がないのかもしれないが。

自分もいろいろやることがあって、ほとんど準備しないで模擬授業を行なったし、小池先生には本当にお世話になっているし、実際彼はこのページを見ているので大っぴらに批判はしたくないのであるが…

そこはあえて書かせていただく。気を悪くされたら本当に申し訳ない。


この授業で学んだことは、この授業のスタイルを取るといけない、ということ。生徒の自主性を重視しすぎると課題を遂行してこなかったりしてしまう。現に自分もかなり適当に模擬授業に臨んだことは確かである。ある程度のレールを引くことは非常に重要であることを感じた。

それと、はじめに先生が配布資料を配って読んだのだが、これもよくない。文章を読むだけ(それも棒読み)では眠くなる。というか寝た。この日はたまたま着物を着ていたので着崩れをした。彼自身、「配布資料は何の目的で配布するのか明確にせよ」と言っていたのだが、まったくそれを自身でできてない。せめて線を引くとか、レジュメを作るべきではないのか。

同時に、彼の模擬授業を聞く態度がひどすぎる。あくびをする、手を頭の後ろに回すetc... 授業をしている方のテンションが下がる。私も下がったし、少なくとも2人の友人はそう、と感じたようだ。そこの時点で彼の熱意が全くといっていいほど感じられない。もし熱意があるのであれば、このような態度は取るべきではない。(もちろん、その日の気分もあるだろうが、教職担当である以上、そのくらいの意気込みでするべきではないか)

さらに、生徒が行う模擬授業の所感を書くのだが、単に空のボックスが4つ、A4に裏表で印刷されているのみの紙を配る。これも、例えば5段階アンケートを指導者側が作成しておく、どこが具体的によかったのか、悪かったのかを答えやすい
配布資料を作成しておくなど、彼の言う「授業への工夫」をすべきである。あれだけ口うるさく言っている割には、彼自身全く実行できていない。小池先生にはカリキュラムと教育評価を履修することを強く勧める。

確かに、この授業をして学んだことは多々ある。パワーポイントを使ったプレゼンと違い黒板を使うことは非常に難しいということ、教案の作り方、生徒への語りかけのタイミング、具体物を出すことの重要性などなど。
実際に模擬授業をする機会はほとんどないので、そういう機会を与えてくださった点は非常によかったと思う。

さらに、同時期に読んでいた「脱学校の社会 著:イヴァン・イリッチ」の影響もあるが、教育というもの自体の限界も痛切に感じることができた。

授業で教えられることには限界が存在する。それはいくら授業を工夫しても、である。それより大事なことは学校内でのネットワーク。せめて現行制度に乗るのであれば、それを意識すべきであると感じた。

授業に関してはあえて、よく解釈するのであれば、彼は「このような授業をしてはいけない」という反面教師を演じてくれたのではないか、といえる。このような授業をしたら高校生は確実についてこないだろうから。

結論だが、結局は模擬授業をこなすための模擬授業に成り下がっているのも事実。そういった授業を行なわないためにも、教育実習に行く際は、いろいろと工夫してこのような授業をしないよう、と強く思った。


そういえば、この授業の模擬授業を行う際、教育の方法と技術B担当の吉岡先生に情報の教科書を20冊近くいただいた。情報科の教科書がこの大学の図書館にないこと自体問題だとは思うのだが…。たくさん貸していただいたこと、この場を借りて、お礼申し上げます。(なお、この教科書は小池先生に寄贈されました)


【試験】

行わない。

評価は自身の模擬授業評価、模擬授業に対する履修者からの感想、出席、自身で書く他人の模擬授業への感想の総合評価による。