マーケティングと環境

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Environmental Marketing 木内孝 2単位 3年(2005年度)前期
出席 試験
毎回の感想票による 試験期間中に行う


【感想】

担当教授は木内孝先生。

Future500という団体の理事長。(株)イースクエア会長、ピー・エル・エックス(株)(現:SBIインテクストラ株式会社)会長、カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校アドヴァイザリー・ボード、チルドレンズ・エクスプレス・ジャパン理事長、米国・留学生ホット・ライン会長、元・三菱電機(株)常務取締役・三菱電機アメリカ社長。

ドイツ・ハンブルク生まれ。
慶応義塾大学経済学部卒業。三菱電機入社後、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学大学院へ留学し経済学修士を取得。三菱電機海外業務部長、海外第一事業部長を歴任後、三菱電機アメリカの経営に従事、同時に現地社会に積極的に貢献したことにより1992年外務大臣賞、1995年日米協会国際市民賞を受賞。

1995年コロラド州Future500を設立。環境保護・資源保存・働く女性を応援する活動に積極的に参加。海外での講演、ワーク・ショップを数多くこなす。

このページより引用、一部改変)

福沢諭吉岩崎弥太郎の曾孫でもある。経歴を見るだけでも見事である。


全身からエネルギーが満ち溢れている人。自分の信念に基づいて、他人になんと言われようと、まっすぐに実直に生きている印象がある。

さて、講義内容だが。講義名とほとんど一致しない。マーケティングのことはほとんど扱わない。


しかし。


そんなことはどうでもいい。初回講義で

2005年の4月から7月の間、こんな講義があった、という講義をしたい!

と言っていたがまさしくそんな講義を展開してくれた。他の講義は全部寝ててもいいからこの講義だけは聞け、と言ったりもする。

っていうか

講義が終わったときに拍手が起こる講義なんて今までこれしかない

そして、今後もこれしかないと思う。90分間、ものすごいエネルギーを出し続ける。こんな大人が存在するのか、と驚いた。

環境問題について、日本の将来について、彼が語る、語る、語る。その中身が正しいか正しくないか、それは後で自分で考えるべきであるが、(先生もそれを望んでおられると思う)それを考えるキッカケを与えてくれる講義である。

世の中なんてこんなもの、と少し悲観的になっている人は是非履修してもらいたい。むしろ、この学部の必修授業にしてもらいたいくらいである。まだまだ世の中捨てたものではない。自分で考えて行動すれば、もしかしたら明るい未来が待っている。履修した後、そんな風に思えると思う。


余談であるが、講義の後、個人的に話を聞きに行った。何故、三菱電機アメリカの社長の座を捨て、環境問題に傾倒するようになったのかと。
彼の答えは、

17年ほど前、三菱商事熱帯雨林における不祥事がアメリカで問題になり、その影響がグループ会社の三菱電機に来た。デモ行為が起こった。そこで、実際に熱帯雨林の現場に行き、心を打たれた。このままではいけない、このままでは地球は滅びてしまう。そう思った時から、環境問題へのアプローチははじまった

そうだ。

彼の尊敬すべきところは、それを実践しているということ。今までの自分の築いてきたネットワークもあるだろうが、信念に基づいて、行動に移している。

彼を見て、理論だけではなく、実践を伴わなければ全く意味がない、と思った。将来ふとこの講義を思い出すとき、屁理屈ばかりこねている自分を戒めることがあるはず、と強く確信した。


【試験】

試験期間中に行う。事前案内は


・試験期間中に行う。
・持ち込み不可。
・環境に関する本を一冊読んでおくこと。
・論述問題。


であった。

入手していた過去問(2004年度の問題)は


環境に関する単語を30個入れ、未来に続く環境について論ぜよ


であった。

実際の試験問題は

将来の自分が希望する生きざまを地球環境の保全と修復の立場から、環境に関する専門用語を30以上用いて説明する。
専門用語の下にはアンダーラインを引くこと。

であった。環境問題に興味がある人間でないと書くのはしんどい。それ以前に30個も単語を埋め込むことが難しい。素直に木内先生の本を読むことを強く勧める。

さらっとしか読んでいなかった私は、青山貞一大先生の講義と生態学を思い出しながら、意味もなく単語を挿入していった。

しかし、結局仕上がった文章の中に専門用語は30個含まれず。


評価は「先を見る力がある魅力ある人格者になり得るかどうか」(初回配布資料による)である。

そして私の評価は「不可」。

大学生活2つ目の不可。(ちなみに1つ目は情報と法)私は環境問題に関して先を見る力がある魅力ある人格者になり得ないようである。

ただ、独断によるかもしれないが、彼に評価されるなら納得できてしまう。それだけ、彼の人を惹きつけ、巻き込む力はとてつもなく大きい。