開発と環境

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Development and Environment 萩原なつ子 2単位 3年(2005年度)前期
出席 試験
ほぼ毎回の感想票による 最後の授業を利用して行う


【感想】

担当は情報化と市民参加社会とジェンダー担当の萩原先生。2年(2004年度)後期に履修した情報化と市民参加がおもしろかったので、社会とジェンダー同時期にこの先生の講義を履修することにした。

講義内容は講義名の通り、開発行為における環境問題へのアプローチなどを学ぶ。

沖縄・石垣島に行き、リゾート開発したホテルに実際に泊まったり、フィールドワークを欠かさない人なので、講義内容も実際の体験談による。よって、心に残るものが非常に多い。教科書で学ぶことも大事だが、こういう講義もあるべきだと思う。

しかし彼女の講義に対する熱意が素晴らしい。環境意識を啓蒙しつつも、どうすれば開発と環境という相反するものへ取り組めばよいのか、そういう考え方を学ばせてくれる。

環境問題に少しでも興味があるのであれば情報メディア学科の学生にもオススメの講義である。

なお、ビデオも漫然と見るのではなく、シラバスを読んでから講義に臨めば理解が深まると思う。

と、肯定的なことを書いてみたのであるが、意見も言わせていただく。


彼女のやっていることはよくわかるし、実践を伴っているので非常に高く評価されるべきだと思う。しかし、上に書いてある開発という行為と、環境への配慮というある種矛盾した考え方は、やはりどこまで行っても矛盾したままであり、解決するとは到底思えないのである。

環境問題は、川村先生流に言えば、

さまざまな問題が交じり合っており、その問題は国内外、その国家の政治的思惑、地元住民に根付いた「文化」、世界中の人々の数だけの価値観による

ものである。

正直、萩原先生の言うことだけは到底解決不可能であると思う。

私はこうやってキーボードをたたいているだけの人間であり、彼女の実践を批判する立場にないことは十分承知だが、あくまでも「論」として、問題へ対する姿勢は、納得がいかなかった。


【試験】

最後の授業を利用して行う。持ち込みは不可。

試験問題は

問1 先進諸国の環境問題と開発途上国の環境問題を比較し、それぞれの特徴を述べなさい。
問2 (1)(2)(3)に当てはまる言葉を書きなさい。
「所得面の貧困」の定義は、所得水準が特定の貧困ライン以下の人たちを貧困とする見方である。(1)銀行などの国際機関や各国政府はこの見方をとる場合が多く、通常1日(2)ドル以下の所得を貧困ラインと設定している。一人当たりの(3)で国際的に経済力を比較することが多く行われている。
問3 貧困の定義のうち、「所得面以外の貧困」以外の定義について述べなさい。
問4 トリクルダウン効果とは何か、説明しなさい。
問5 インドのケーララ州は合計特殊出生率が低く、平均寿命もインドの他の州に比べて長い。その理由について、大崎麻子さんの講義を参考にしながら、GADの視点から述べなさい。
問6 参加型開発とは何かについて、坂口さんの講義も参考にしながら、説明しなさい。
問7 エコツーリズムとは何か。登場してきた社会的背景も踏まえて説明しなさい。

であった。なお、これは私が試験問題を持ち帰ったのではなく、友人がガメてきたのを書き写した。

それにしても、このテストはカンニングし放題だった。当然私はしていないが、(わざわざしている人間は書かない)FEISホールで完全に満席、後ろの列の人は特にひどかった。外に出て、FEIS前で試験を受けてた人もいたくらいである。

せめて試験くらいは公正を期すべきではないのか。教授の試験に対する姿勢が問われる。