カリキュラムと教育評価

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Theory of curriculum and educational evaluation 井上健 2単位 2年(2004年度)後期
出席 試験
毎回授業後に提出するミニレポートによる 行わない


【感想】

担当は井上健先生。予備校講師、中学・高校の社会科教師、どこぞやの大学の非常勤講師などさまざまな経歴を持つ人である。黒フレームのメガネがよく似合う。
今年度(2004年度)からこの講義を受け持つことになった。

基本的に授業は50分講義、残り40分をディスカッション&ミニレポート提出という形式で進める。

授業は全て1回完結型。参考資料も一回の授業内で終わらせ、ディスカッションもその中で終わらす。

扱う参考資料は彼が選んだもので、おもしろい内容が多い。カリキュラムとは何か、あらためて考えるよい資料であると思う。彼がしっかり計画立ててこの講義を行っていることが伺える。

ディスカッションであるが、この企画は失敗であると当初思っていた。しかし、実際にやってみると意外とおもしろい。

扱うネタが今までの高校の話なのでみんな話しやすいのだろうか、話が尽きることはなく、40分は一瞬で過ぎ去っていく。

個人的には、カリキュラムとは何か、そこまで具体的でなくとも今まで受けてきた授業がどのような位置づけにあったのか、今受けている講義どのような位置づけにあるのか、そんなことを考えるきっかけになった授業であったと思う。
実際に改めて大学の学習要覧を読んで、この講義はこんな目的で設置されたのか、と凄く納得した。

一番印象に残っているのは「学びの原則」の講義。改めて言われると目からウロコのものであった。
以下。

自分の興味・関心を満たしてくれるか。
自分のニーズや動機に即して学べるか。
主体的、積極的に学べるか。
頭だけでなく、心や体を使って学べるか。
仲間と協力したり、競争したりして学べるか。
安心して学べるか(教室の雰囲気、学習面、経済面、そして心理のサポート体制)
自分の学び方(スピード、スタイル、こだわり)にあった学びができるか。
「意味のある学び」と実感できるか。


易しいこと(できること)から学べるか。
高度なこと(美味しいこと)から学べるか
身近なことから学び、本質的なものへ導かれる学びか。
発達段階や学習レベルに即しているか。


見通しを持って学べるか。学習マップが作れるか。(今やっていることが全体の中でどこにあるか分かるか)
十分な時間を持って学べるか。(身につくまで学べるか)
振り返りやフィードバックがあるか。
成果を実感でき、自分らしさを高めるものであるか。
さらなる展開や発展を可能にする学びか。


学校の教育目標に即した学びか。
社会の発展に寄与する学びか。
文化の発展に寄与する学びか。

是非ともつまらない授業を展開している教授たちにこの講義を履修してもらい、「学び」とはなんなのか再考してもらいたい。


【試験】

行わない。評価は平常のミニレポートと冬休みの課題による。
冬休みの課題は

(1)講義をふまえ、カリキュラムと評価を考えるうえで重要な諸点を2400宇程度で論じなさい。
(2)(1)で論じたことをふまえ、この講義におけるあなた自身の学習姿勢と成果を「絶対評価を加味した相対評価(S:90点以上、A:89‐80点、B:79-70点、C:69-60点、D:59-50点、E:49点以下)」に自己評価し、その理由を800字程度で論じなさい。

*A4、横書き。できれば、ワープロを使用すること。


*この課題は、
①講義において井上が話したこと、使用したすべてのテキスト・ビデオ等をふまえ、
②カリキュラム(あるいは評価)とは何か、カリキュラム(あるいは評価)を考える視点、教師の役割、カリキュラム(あるいは評価)の開発などについて、
③講義とテキスト等を整理(再構成)し、問題の所在を明らかにしたうえで、
④自分の思索の成果を、
⑤読み手にわかるように表現することを求めたものである。よって、
⑥単なる経験談やひとりよがりの私見であったり、
⑦他人の説をただ繰り返すものではいけないし、
⑧講義時における課題やディスカッションよりも高いレベルの内容が期待される。また、当然のことであるが、
⑨テキストから引用した場合は「」でくくるなど適適切な方法で出典を明らかにし、
⑩自分の言葉と他人の言葉を区別しながら、明快に論を展開することが必要である。

注意
*上記の要件を満たすものでなければ、本講義に対する最終レポートとは認められない(苦し紛れにテキストを写したり、講義を踏まえないで「私論」を展開するだけでは「不合格」になるだけです。講義に真面目に参加していない者や勉強不足との自覚がある諸君には「再履修」を薦めます)。
*この課題は、やみくもに新しい文献を読んだり、インターネットなどで調べることを期待するものではありません。講義に触発された自主的な学習は大いに奨励しますが、求められた課題の趣旨をよく理解して、レポートをまとめてください。
*学年、学科、学籍番号、氏名等を最初に明記し、ホテキス等でとめること。
*レポートは、2005年1月20日の議義時(17時)に提出すること。
*正当な理由なく、締め切り日時までに提出しない場合は受理しない(不合格となる)。特別な事情があるものは、必ず、事前に井上とメールで連絡をとり、指示に従うこと。

というものであった。
なかなか厳しいように見えるが当たり前のことである。