環境と消費

英文科目名 担当 単位数 履修年度
Lifestyles and Health 中原秀樹 2単位 3年(2005年度)後期
出席 試験
原則として行わない。発表をこれに代える。 試験 試験期間中に行う


【感想】

担当教授は中原秀樹。1年生の時の環境マネジメントシステム以来である。

ナカハラ教(勝手に名前をつけた)の教祖様。あのオーラは何かを感じさせる。自分の信念を貫く行動力、語りがそれを彷彿とさせるのかもしれない。

ダジャレが好き。
彼の研究室は6階なのだが、5階でエレベーターが止まったときに間違えて降りようとした、そのとき一言。

「いやー、誤解しちゃったよ。あっはっは。」


学生運動全盛期のころ大学生。当時付き合っていた彼女の関係者(?)が水俣病の被害に遭い、環境問題に傾倒しはじめる経緯を持つ。一度関西の某有名大学を退学になり、その後に青山学院大学を出ている。


全ての面で、教祖としかいいようがない。個人的に大好き。こういう人を引っ張り、巻き込む人は、見ていてカッコイイ。黒のタートルネックに黒のジャケットが似合うのも、カッコイイ。


講義。
指定された教科書を読んで与えられた課題をこなしてくることが前提。

課題は

「地球共有の倫理」(中原秀樹監訳、川村久美子、村井章子訳)/日科技連
を読み、各章ごとに5つキーワードを選び、
・そのキーワードの説明
・そのキーワードを選んだ理由
を指定の用紙に書いてくること。

というもの。アシスタントの日付入りハンコが入るので、やるのが遅れたらバレる。

これを授業内でグループ分けした人と議論し、グループごとにキーワードを選び、それをプレゼンする。

そのプレゼンを元に、教祖様の語りがある。インタラクティブな授業。


しかし教祖様の守備範囲の広さには頭が下がる…。たまにあるどうしようもないプレゼンでよくあそこまで話が出来ると思う。


講義内で終始述べていることは、


・スモール・イズ・ビューティフル
・その実現のためには市場経済・資本主義の見直しが必要
・それはトップダウンと、ボトムアップの両面からしなければならない
・新しい「幸福」の概念を創出


である。

環境問題を論じる上で、必要不可欠なことばかりであると思う。


総括。
議論としては、かなり矛盾点が多かった印象がある。各分野の専門家の議論の結論のみをまとめた感じ。

とはいえ、1年生の「環境問題への入門」的な意味合いが強いこの講義においてはこれは十二分な内容だとも思う。教科書を一冊仕上げるということも、関連分野のビデオを観て先生の解説を聞くということも、小沼先生の特別講義があったことも。

とりあえず、情報メディア学科の3年生が履修するような講義ではない。環境情報学科の1年生が入門で取るべき講義だと思った。


それにしても、環境問題というものはどう取り組めばいいものかわからない。どこから攻めていっても、必ずどこかでしっぺ返しが来る。ネットワークの中にモンスターが潜んでいる感じで。(ラトゥール)モンスターを退治しても、ネットワーク内の別のモンスターが現れてしまう。

正直、議論していてもはじまらないのかもしれない。議論はあくまでも解決のためのリソース。自身もまた解決のためのリソースになり、とにかく一刻も早く実践していかなければならないのかもしれない。


【試験】

試験期間中に行う。

事前案内は

・持ち込み不可
・あらかじめ配布してある資料(回答つき)の問題がそのまま出る。

つまり、暗記。それ以上でもそれ以下でもない。

試験問題は

市場経済を見直さなければならない理由を4つすべて挙げなさい

なぜ環境容量は銀行に預けているお金のようなものなのか、その理由を述べよ

環境容量の3つの基本原則とは何か

以下の再生不能な資源消費の代替指標にする理由を述べよ
①アルミニウム
②銑鉄
③セメント
④塩素

環境容量の限界は何によって決まるか

社会健康指数とは何か

エコロジカル・バックパックとは何か

効率と充足の定義を述べよ
①効率
②充足

持続不可能な国家補助金とは何か、6つ全て挙げなさい

持続可能な生産と消費の実現のために国がやるべき緊急課題とは何か

であった。毎年、問題は微妙に変えているとのこと。

なんでここまできて暗記問題なのか…?大いに論じなさい、という形式のほうがいい気がするが。

ま、これは暗記が嫌い/苦手な私の言い訳である。

なお、冬休み中に課題が出る。携帯電話の使用状況レポートである。便利さとの決別、と銘打ってレポートする。全て○(携帯電話を使用せず)にすると、自動的に単位が出る。

そんなん絶対無理だと思いますけどね…。